資料 6.

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日南市油津の「チョロ船」

平成13年に油津チョロ船2隻が日南市産業活性化協議会によって復元され、堀川運河
に係留されている。復元されたチョロ船は体験乗船や小学校などの総合学習の時間に
活用され、先人たちの帆走技術や櫓こぎの技術が「チョロ船保存会」の皆さんによって
受け継がれている。
チョロ船の資料収集にあたり、「チョロ船保存会」の会長 河野龍二氏、
事務局 川俣悌助氏には快く撮影や話を聞かせていただき、感謝いたします。

                            (平成20年3月)




チョロ船(川俣悌助氏 提供)


日南市油津港は、日向灘に面した天然の漁港であり、昔から沿岸漁業が盛んに行われ、
「チョロ船」と呼ばれる木造帆船が使われていた。日向灘でのマグロ漁で油津港は昭和の
初期から串木野のマグロ船の寄港地となっていて、串木野の帆船の構造や帆走について、
油津チョロ船の影響もあると推察される。
チョロ船はカツオやカジキ・マグロなどの回遊魚を中心に漁をしていて、串木野の
和船のように底もの漁とは漁法が違う。これは、漁場の地形や海流によるものである
と思われるが、それぞれ、漁労に適した船体構造・艤装になっている。

 油津チョロ船の特徴は
  ・船体幅/船体長の比は、串木野の帆船よりも大きい。
  ・ミヨシの幅は狭いが船首部の水切りは串木野の帆船よりも
   細くなっていて保針性を良くしている。
  ・大小の二枚帆で前帆が串木野の帆船よりも小さいが、その分
   操作性・機動性を良くしている。
  ・舵床の舵穴は一つで竪舵(たてかじ)になっている。

日南市は飫肥杉の産地でもあり、帆船に適した木材が豊富にあったことから、
多くのチョロ船が堀川運河に帆柱を並べていたことだろう。



チョロ船:
チョロという語源はいろいろな説がある。江戸時代、小型和船を関東ではチョキ、
伊勢以西ではチョロと呼んでいる。
                     <参考文献:「和船U」石井 著>



 

 


堀川運河




 











 


 





 


 


 


 

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ページの更新年月日:2008年3月8日